今も残る吾妻旧線の遺産② 曲線と側摩耗レール

吾妻旧線には曲線区間が多く、当時の技術者が苦労のうえ、半斜ちょう式架線方式が採用されたことを、以前説明しました。このことは、現場のレールを観察することでも伺い知ることができます。あがトロ田園線の出発地点である雁が沢Stn付近は半径250mの曲線となっていますが、そこでは側摩耗が発生したレールを観察することができます。側摩耗とは主に曲線区間の外側に敷設されたレールが、車両の車輪のフランジ部分と強く接触してレールの頭部側面が摩耗する現象のことです。下の写真では判りにくいですが、曲線の内側と外側のレールで全く摩耗状態が違っています。曲線部分のレールが如何に大きな横圧を受けているかを実感できます。八ッ場ダム近くにある「なるほど八ッ場資料館」にも、旧川原湯温泉駅付近で撤去された側摩耗の激しいレールが展示されています。時間があれば、そちらも訪れてみてください。

雁が沢Stn付近の曲線標。カント80mm

曲線外側のレール

曲線内側のレール。側摩耗が殆ど無い